10年ぶりの刷新で「継ぎはぎ状態」から脱却。国内製薬会社が挑んだコーポレートサイトリニューアルの裏側

10年ぶりの刷新で「継ぎはぎ状態」から脱却。国内製薬会社が挑んだコーポレートサイトリニューアルの裏側
株式会社三和化学研究所 瀧下 麻由さま、柳井 勝行さま、仲島 猛之さま 株式会社メンバーズ 野本 優、大黒 玲奈

メンバーズは三和化学研究所さまのコーポレートサイトの全面リニューアルプロジェクトにパートナーとして参画しました。課題分析や競合調査をはじめ、サイト設計・情報設計・グランドデザイン制作まで幅広く支援。また、デザインガイドラインとコンポーネントデザインの構築も担当しました。インタビューでは、サイトリニューアルプロジェクトの推進や、グローバル対応などについてお伺いしました。

理念を発信する広報戦略と、信頼から始まったリニューアルプロジェクト

- 経営戦略部のミッションや業務について教えてください。

インタビューの様子1

仲島氏:三和化学研究所は、「人にやさしい”くすり”を世界の人びとに」という企業理念のもと、医療用医薬品と血糖自己測定器などの診断薬を主力とする2事業を中心に、健康を願う人々のQOL(生活の質)向上を目指す製品とソリューションを提供しています。

疾患領域としては、糖尿病および腎疾患領域への展開に加え、未だ有効な治療法が確立されていない希少疾患や難病といった「見過ごされた医療ニーズ」を満たす画期的な治療薬の研究開発にもチャレンジしています。

私たちが所属する経営戦略部CSR・広報グループでは、企業理念に基づき事業活動を進めるなかで、持続的な企業成長を実現するための成長戦略を描き、推進していくことをミッションに掲げています。また、コーポレートサイトを通じて、ステークホルダーの皆さまへ当社の進化を発信し、関係構築とブランド戦略を推進することも私たちの重要な役割と考えています。

- コーポレートサイトリニューアルのご依頼に至った背景についてお聞かせください。


瀧下氏:
メンバーズさんには以前から当社の医療関係者向けサイトのご支援をいただいております。Google Analytics 4の導入支援や動画プラットフォームの切り替えサポート、メールマガジン会員の運用支援など、当社だけでは難しかった施策を支えていただきました。

また、普段からあたかも社員®として携わっていただいている大黒さんに、運用上の困りごとを相談させていただくこともあり、すでに当社のウェブサイトを理解しているメンバーズさんに相談したことがご縁となり、今回のコーポレートサイトリニューアルの依頼に至りました。
※あたかも社員は当社の登録商標です。あたかも社員(登録商標第6923667号)

大黒:当時の担当者の方から、「医療関係者向けサイトをリニューアルした直後のため、その効果測定をおこないたい」という相談を受け、「自社サイトだけでなく、他社サイトも比較して分析しましょう」というところからスタートしました。それからデジタル営業推進部さまとは、MAの運用支援やPMO支援を中心に、継続的にご支援させていただいております。

具体的には、医療関係者向けメールマガジン会員の獲得、講演会の集客、三和化学デジタルMR®の利用促進といったマーケティング施策の運用をサポートしています。さらに、社員の皆さまで運用できる体制を築くため、属人化しないためのマニュアル整備や勉強会の実施など、内製化に向けた取り組みにも注力しています。

こうした取り組みを通じてデジタル営業推進部さまとの信頼関係を築くなかで、瀧下さまから今回のコーポレートサイトリニューアルの件でお声がけいただきました。これまでの支援実績と当社の事業に対する理解を評価していただいたことが、今回のプロジェクトにつながったのだと感じています。

堅牢さと一貫性を備えた新コーポレートサイトの実現

- リニューアル前のコーポレートサイトが抱えていた具体的な課題についてお聞かせください。

瀧下氏:前回のコーポレートサイトのリニューアルから10年が経過しており、まず情報の不足が顕著でした。加えてデザインが古く、スマートフォンへの対応が不十分なことがモバイルユーザーの利便性を低下させていると感じていました。

またWebサイトを支えるサーバやCMS、問い合わせフォーム、セキュリティ対策など、インフラ面も見直す必要があり、今回のリニューアルは単なるデザイン変更にとどまらず、大掛かりなものとなりました。そのため多くの解決すべき課題をサポート頂けるパートナーを探すことが不可欠でした。

柳井氏:事業開発を進めるうえで、英語版サイトの情報が十分でないことも課題でした。そのため、英語版サイトの情報発信力を高めることに注力しました。単に日本語ページをそのまま翻訳して海外向けにするのではなく、海外の利用者が何を目的に当社のWebサイトを訪れるのかを意識して取り組みました。

改修前までは問い合わせも少なく、「サイトが分かりにくい」「何をしている会社なのか分からない」といった声も寄せられていました。だからこそ、アライアンス獲得を視野に入れた設計・構成を念頭に検討し、「私たちがどのような企業であるか」を的確に伝える必要性がある事を強く感じていました。

- 今回のコーポレートサイトリニューアルで、デザイン領域を当社にご依頼いただいたポイントを教えてください。

インタビューの様子2

瀧下氏:これまでのWebサイト制作は社内で企画した原稿とワイヤーフレームをベースに制作会社にウェブサイトを作成してもらっていました。社内の意見を直に反映させることができる一方で、効果的な情報提供が行えるサイトになっているのか不安を感じることもありました。このことからプロの視点のサポートが必要であると考えるようになりました。

そこで、今回のコーポレートサイトのリニューアルでは、メンバーズさんと他社によるデザインコンペを実施しました。コンペでは、当社がイメージしているコンセプト案やキーワードを提示し、それに基づいた提案を受けることにしました。
それぞれから出されたデザイン案は甲乙つけがたいものでしたが、当社の事業の将来を見据えた製薬会社らしい堅牢で力強いコンセプトの提案や、提示されたデザインの理由と説得力に魅力を感じたことが選定のポイントになりました。また、医療関係者向けサイトにおける制作実績も重要な判断基準となり、最終的にお願いすることに決めました。

仲島氏:メインビジュアルの決定プロセスを振り返ってみますと、私たちが大切にしている企業理念を「こういう形で表現してはどうか?」とご提案いただいたときに、「これだ!」とファーストインプレッションで強く感じました。また、ちょうどその時期、経営戦略部では経営陣とともに次期中期経営計画の作成準備を進めていました。

そうしたタイミングでいただいたご提案が、まさに私たちの考えと重なっていて、「当社の方向性と一致している」という空気感がメンバー間に生まれました。最終案として提案したビジュアル案とコンセプトは経営陣からも異論はなく、決定となりました。タイミングとコンセプトのマッチが決定的な要因であったと思います。今回の提案によって、企業理念と目指す方向性を体現するデザインが実現できたと考えています。

- 今回のリニューアルプロジェクトの全体像と、そのなかで当社が担当した支援スコープについてお聞かせください。

瀧下氏:コーポレートサイトは日英合わせて200ページ以上ありますが、メンバーズさんにはそのうちのトップページやキービジュアル、メニューなどのグランドデザイン作成と、ベースとなる10ページのデザイン、およびデザインガイドラインを作成いただきました。メンバーズさんの担当は全体の制作のなかの導入部分にはなりますが、基礎を固める重要なパートでした。特にデザインガイドラインを設けたことにより、すべてのページデザインをお願いしなくても一貫性のあるデザインの構築が可能となりました。

野本:今回ご提案するにあたっては、単に「やさしさ」を表現するだけでなく、堅牢さや信頼感といった要素をどう企業目線で強く訴求するかを改めて考えました。色の選定からファーストビューの背景まで、世界観をどうつなげ、発信するかを工夫しています。情報設計の面では、利用者が目的の情報にたどり着く経路を意識し、導線の提案をおこないました。議論を重ねながら密に連携できたのは良かった点だと思います。

三和化学研究所の公式サイト

さらに、デザイン基盤を整える観点から、バラバラに使われていたサイトのパーツを統一しました。タイトルの付け方や表組みのスタイルといった細部まで再設計し、デザインガイドラインを一から作成しました。これによって、誰が更新しても一貫性のあるデザインで運用できるようになったことは大きな成果だと感じています。また、プロジェクトの初期では現状分析をおこない、同業他社のサイトを日米両方で調査しました。

情報設計の観点で「こうしたパーツを最初に置いて企業メッセージを伝えている」といった事例を参考にしつつ、より近しい血糖測定器を扱う企業の事例などに焦点を当てて進めた点も意識した取り組みでした。

開発自体は制作会社に担当いただきましたが、やり取りはプロジェクト管理ツールを通じて密にコミュニケーションをとり、制作側とデザイン側で認識のずれが生じないよう意識することで、完成度の高さにつながりました。

デザインガイドライン

プロの視点で頼りなさを払拭。共創で築いた新たな企業イメージと信頼感

- リニューアル後のサイトに対する現時点でのご感想や、社内外からの反響、期待される効果についても伺えますか。

柳井氏:基本となる骨格を明示していただき、それを制作会社にしっかり引き継いで制作した結果、統一感のあるサイトが仕上がったと感じています。その甲斐もあって、社内から「立派な会社になった気がする」といった感想をもらい、リニューアルに携わった者として非常に嬉しく思っています。

これまでは企業理念を意識し、やさしいビジュアルと色使いを基調としていました。しかし、それが製薬企業としてはやや頼りない印象を与えてしまうとメンバーズさんに指摘されたことは大きく、先進的な製薬企業という要素も取り入れたデザインで新しいイメージを打ち出せたと思っています。コーポレートサイトは採用面にも直結していると考えていますので、アピール力の向上によって、良い影響が出ることを期待しています。

「作って終わり」ではなく「経営への貢献」へ。希少疾病領域への挑戦を支える、Webサイトの次なるフェーズ

- 今後の貴社の事業展開やコーポレートサイトの活用に関する展望、今回のプロジェクトを通じて見えてきた課題と今後の取り組みについてお聞かせください。

仲島氏:現在、当社が事業の中心領域として展開しているのは糖尿病や腎・透析領域ですが、新薬の創出という観点では希少疾病・難病領域に挑戦し、その実現に向けた準備を今まさに進めている段階です。医療従事者や患者さんに信頼され、応援される企業であり続けるためには、Webサイトは重要な役割を果たすと考えています。この認識は私たち全員の共通の意見であり、今後も社内の連携を一層強化しながら、より良いものを築き上げていきたいと考えています。

- 最後に、メンバーズに期待することついてお聞かせください。

瀧下氏:Webサイトのリニューアル後に、新たに会員向けのコンテンツ制作が始まり、コンテンツへの流入を促すサイト構造の確立が課題となっています。また医療関係者との接点をさらに増やし、最適なコミュニケーションが取れるようなWebサイトの構築と、運用を支援いただきたいです。加えて、効果測定という点では、現状は測定して終わりになっているので、測定結果をどのように成長戦略に活かして経営層への提案をしていくかなどの提案支援をしていただきたいと思っています。

柳井氏:メンバーズさんには、作って終わりではなく、その後の運用までしっかり伴走していただけるという安心感があります。「こんなことまで対応してくれるんだ」「ここも任せていいんだ」と思える場面も多く、いつでも気軽に相談できるのはメンバーズさんの大きな強みだと思います。運用面でのサポートや、気軽に相談できるパートナーとして引き続きお力添えをお願いいたします。

仲島氏:Webサイトを介して、「やりたいこと」「やらなければならないこと」「やったほうがよいこと」など、さまざまな課題を抱えています。効果的な運用という点ではどのように相談し、どのように検討していくかとなると、やはり頭を悩ませる部分があります。「こんなことを考えているのですが、何か知恵はありますか」と気軽に相談でき、良き伴走者として支えていただける存在でいていただけるとありがたいです。そして、私たちに気づきを与え、次のステップに進むための道しるべとなり、後押ししてくれるような役割を担っていただけることを期待しています。

(最終更新日:2026年02月)

 

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