技術と現場の「翻訳者」となりCMS運用を安定化。ダイキン工業のブランド戦略を加速させる、メンバーズの常駐支援
「空気で答えを出す会社」として、世界をリードする空調メーカーのダイキン工業株式会社。同社のブランド戦略を担う総務部 広告宣伝グループでは、Webサイト運用における「業務の属人化」とヘルプデスクの「運用体制」に課題を抱えていました。担当者の属人化がサイト停止のリスクに直結する状況を、いかにして打破したのか。
現場に寄り添う「翻訳者」としてメンバーズの常駐支援(あたかも社員®)を導入したことで生まれた変化について、ダイキン工業の片山さま、宮津さまと、メンバーズの池田、馬場に詳しく話を伺いました。
担当者が倒れたらサイトが止まる危機感。技術者と現場の間にあった「言葉の壁」
- 本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、皆さまが所属されている「広告宣伝グループ」のミッションを教えていただけますか。

宮津氏:私が所属する総務部広告宣伝グループは、主に対外的なダイキンのブランディングを担当している部署です。当社のタグライン、いわゆるコーポレートメッセージである「空気で答えを出す会社」をベースに、企業姿勢やグローバルな事業展開、技術力などを世のなかへ発信することが大きな役割となっています。
具体的には、テレビCMをはじめ、新聞・雑誌、看板、交通広告などのペイドメディアだけではなく、アーンドメディア、オウンドメディアのトリプルメディアを通じて国内でのブランドコミュニケーションを展開しています。
一方、海外に関しては、Webサイトの全体的な枠組みやVI(ビジュアル・アイデンティティ)、ロゴ規定の管理に加えまして、先ほどの「空気で答えを出す会社」というメッセージを、海外向けには「Perfecting the Air」という形で、グローバルにコミュニケーション展開している部署になります。
なお、今回のプロジェクトに関連するWebサイトの領域で言いますと、ダイキン工業の外部向けWebサイトのルール策定や運用、CMSの管理などをIT推進部と一緒に担当しています。
- メンバーズが参画する前、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
宮津氏:以前は片山を含めた3〜4名の小所帯で広告宣伝業務と並行してWebサイトを管理しており、CMSを使わずに運用をおこなっていました。その後、CMSを導入したのですが、導入いただいたベンダーさんは開発や保守がメインだったため、日々の運用における細かなヘルプをお願いするのが難しい状況でした。
また、CMSの運用ルールも定まりきっていないなかでの対応にも限界を感じておりました。
片山氏:補足しますと、社内のWebサイト担当者のスキルにも課題はありました。社内のWebサイト担当者は専任ではなく兼務であることが多く、Webの知識が豊富なわけではありません。それにもかかわらず、あまり知識のない担当者と、知識はあるが専門用語が多く、初心者にとってわかりづらい説明をしてしまう技術者が、CMSの操作や要件について直接メールでやり取りをしていました。
実際、お互いに理解し合えず、両者ともにストレスを抱えてしまうケースも見受けられました。
宮津氏:当社のWeb運用は、私たちが枠組みやルールを管理し、各事業部がコンテンツ制作の責任を持つ体制です。事業部からは「CMSでこれを実現したい」といった要望が寄せられますが、習熟度の高い担当者と利用頻度の低い担当者とでは、システムの理解度に大きな隔たりがあります。そのため、当時のヘルプデスクサポート担当に相談しても議論が技術的な話に終始してしまい、現場の意図が正しく伝わらず解決までに時間を要したり、関係者間で意見の衝突が生じたりするケースが散見されていました。
この「事業部がやりたいこと」と「技術的な要件」の間に立って、しっかりと両者の言葉を「翻訳」してくれる人材が必要でした。その両方をわかってくれるパートナーとして、メンバーズさんにお願いしたという背景です。
片山氏:構造としては、我々総務部がシステムやルールの枠組みを提供する「大家」であり、空調などの各事業部門がコンテンツを作る「店子(たなこ)」という関係性です。現場からの要望に対し、技術的な翻訳をできる人材がいませんでした。 結果として、宮津にすべての負荷が集中し「宮津が倒れたらうちのサイトは止まります」と社内で公言せざるを得ないほどでした。
体制の不安を払拭した、現場密着型「あたかも社員®」という伴走スタイル

- 最初のメンバーズの印象や、プロジェクトの進め方はいかがでしたか?
片山氏:メンバーズさんのことは以前から知っていましたが、「技術用語をたくさん話されて社内が恐縮してしまうのでは」と、支援に対する敷居の高さを感じていました。我々のCMS自体がお恥ずかしいような状態で専任メンバーもいなかったので、ご支援いただくのは難しいと思っていたんです。
池田:本運用を始める前に3ヵ月ほど準備期間をいただき、現状のヒアリングや課題の洗い出しをおこなった後、本格的な運用支援をスタートしました。ダイキンさまは部門間の関係性を非常に重んじ、「その部門がどんな背景を抱え、何を大事にしているからこそ、この依頼に至ったのか」という意図までを深く汲み取られます。その上で、「どうすればお互いが納得いく着地点を見出せるのか」を常に考え、調整していくプロセスを何より大切にされているんです。
その温度感を知るためには、遠隔ではなく常駐で仕事をさせていただくのがベストだと感じました。
馬場:当初は判断基準が明文化されていない状態だったので、まずは徹底した言語化から着手しました。具体的には、サイトを運営されている方に寄り添いながら、過去の案件一つひとつに対して「なぜこの時、こう判断したのか?」を丁寧に紐解いていく作業です。
さらに運用開始後には、CMSを利用されている他部門のWebご担当者さまにもヒアリングを実施し、普段のお困りごとやマニュアルに求めていることといった現場のニーズを汲み取り、ユーザー側に寄り添ったマニュアルへとアップデートしました。
こうして、運営側であるお二人が大切にされている視点と、利用部門の声の双方を拾い上げ、実用的なマニュアルとして形に残せたのは、常駐支援だからこそできたことだと感じています。
宮津氏:メンバーズさんは、単なるヘルプデスクの枠を超えた存在だと感じています。判断に迷ったときの壁打ち相手になってくれたり、他社の成功事例や業界の標準的な手法に基づいた内容をもとに対応してくれます。 おかげで、「こういう考え方をすればいいんだ」という気づきを得られることも多いです。運用の土台がしっかり固まったので、もし担当者が変わったとしても、今の質を維持したまま継続していけるという安心感がありますね。
片山氏:専門知識だけでなく社会人スキルもあるので、あたかも社員®として社内に溶け込んでくれています。以前、ヘルプデスクに対し社員から「すごく丁寧に教えていただきありがとうございます。またご相談させてください」というお礼の返信があったんです。これはメンバーズさんが、相手のレベルや目線に合わせた対応をしてくれているからで、「もっと前から支援をお願いすれば良かった」と思いました。
※「あたかも社員」は当社の登録商標です。あたかも社員(登録商標第6923667号)
本来やるべき仕事に集中できる体制へ。外部視点を取り入れたコア業務の見極め

- 支援開始から1年が経ち、どのような変化がありましたか?
宮津氏:私が質問者とのやり取りに入る必要がなくなり、CMSのことを考えなくてよくなったのは大きいです。今までは「話が難しい人に聞くか、宮津に聞くか」しかなく、私自身も問い合わせを受けたときに理屈をこねて返してしまうことがありました。しかし、メンバーズさんが相手に合わせた対応をしてくれたおかげで、質問者の自己解決を促せるようになりました。
片山氏:私が直接Webサイトに関わることはないですが、組織全体のリソース管理という観点で、大きな変化がありました。これまでは、現場の担当者が目の前の実務や調整に忙殺され、どうしても中長期的な戦略に時間を割けずにいたんです 。しかし、メンバーズさんに加わっていただいたことで、「その人でなければできない本来の仕事」に集中できるようになりました。以前は「宮津が倒れたらサイトが終わる」と言っていましたが、今は「宮津が倒れても大丈夫」と自信を持って言えるようになりました(笑)。
また、メンバーズさんは、ダイキンの内部事情を理解してくれる「社員のような視点」と、一方で世のなかのトレンドを客観的に捉える「外部の視点」の両面を持っています。その視点を生かして、自社として内製で持つべき領域と、プロにお任せする領域のバランスを、外部の視点から見極めてもらっています。
池田:今回の支援は、完全な内製化を目的としたものではありません。ダイキンさまが社内でおこなうべきコア領域は残し、我々がデジタルの専門家として巻き取れる領域は、責任を持って遂行する形をとっています。
Webサイトの安定運用を土台に、SNSとAIを見据えた次なるコミュニケーションへ

- 安定した運用基盤が整った今、今後の展望についてお聞かせください。
宮津氏:CMSを安定的に運用することは前提として、今後は手を出せていなかったSNSなど、他のコミュニケーション施策も実施していきたいです。AI利用者が増えて、Webサイトを見る人も少なくなってきているなかで、新たな施策を講じる必要があります。CMS運用から解放されて生まれた工数を、会社のことを伝えるためのコミュニケーション、結果的に「売るためのコミュニケーション」に使っていきたいと思っています。
片山氏:これからは大家と店子の壁を越えてデジタルマーケティングを推進していくことが必要だと考えています。また、メディアの主戦場がWebサイトからSNSへ移り変わるなか、我々のことをよく理解してくれているメンバーズさんの知見をお借りしながら、拡張性を持ってデジタルマーケティングを推進していきたいですね。
池田:私も馬場も、本当にダイキンさまという企業が好きなんです。いい企業さんだし、素晴らしい製品を作っている会社だからこそ、もっと上手に発信していきたいですし、それが私たちのやるべきことだと思っています。「存分にメンバーズを使ってください!」という心境です。
- 最後に、今後メンバーズに期待することがあれば、ぜひ厳しいご意見も含めてお願いします。
宮津氏:助かっているのは、無理に知ったかぶりをせず「ここから先はわからないので、相談させてください」と正直に言ってくれるところです。ただ、まだ少し遠慮があるようにも感じます。こちらは社員の一員だと思っていますので、もっと遠慮なく踏み込んできてください(笑)。
片山氏:大阪発祥の企業として、コストパフォーマンスや実利には非常にシビアな目を持っています。外部へ委託するくらいなら自社で何とかしようと抱え込みがちな風土もありますが、メンバーズさんの支援には、その壁を越えるだけの「確かな実力」を感じています。「もっと早く頼めば良かった」というのが今の率直な感想ですね。
一方で、結局のところ、仕事の成否を分けるのは「人」です。現在は池田さん、馬場さんという素晴らしい方々に支えられていますが、将来的に体制が変わることがあっても、同等の技術力と「当社に寄り添うマインド」を兼ね備えた人材を継続的にアサインいただきたい。
特定の個人に依存するのではなく、メンバーズという組織全体で、この高い支援クオリティを維持し続けてくれることを強く期待しています。
- 貴重なアドバイスをありがとうございます。ダイキンさまの次なる挑戦に向けて、引き続き全力でご支援させていただきます!
(最終更新日:2026年6月)
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