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【イベントレポート】DXリーダーズ・カンファレンス2026-AIとの共創で実現する内製組織

【イベントレポート】DXリーダーズ・カンファレンス2026-AIとの共創で実現する内製組織

2026年6月12日(金)、東京コンファレンスセンター・品川にて「DXリーダーズ・カンファレンス2026」が開催されました。今年のテーマは「AIとの共創で実現する内製組織」。AIの進化により技術導入のハードルが下がった今、企業が外部依存から脱却し、自走型の内製組織を構築していかに変革を起こすのか。そのリアルな実践と知見が語られました。

メインホールではキーノート、グローバル基調講演、事例セッション、別会場ではパートナーセッションが開催。ビジネス最前線のDXリーダーたちが登壇し、多くの実践知が共有された1日のレポートをお届けします。

目次

DXリーダーズ・カンファレンスとは?

DXリーダーズ・カンファレンスは、メンバーズが主催するリアル開催のカンファレンスです。企業のDX推進・内製化をテーマに、各業界の第一線で変革をリードするDXリーダーが集い、実践知を共有することを目的としています。

2026年は「AIとの共創で実現する内製組織」をテーマに掲げ、NTTドコモ・みずほフィナンシャルグループ・味の素社・森ビル・日本ハム・トヨタコネクティッドのDXリーダーや、Google・WaymoのDesign Leadが登壇。さらにパートナーセッションではGoogle Cloud・Figma・HubSpot・Salesforceなど7社も加わり、AI時代に企業が内製化という手段を通じていかに変革を起こすかを多角的な視点から議論しました。

会場の雰囲気

会場の雰囲気

現地会場では受付開始早々、来場者で会場入口は大変な賑わいとなり、講演開始前から熱気に包まれていました。

パートナーセッション会場でも、人気セッションは開始前から満席になるほど。メインホール・パートナー会場ともに、熱心にメモをとる参加者の姿が印象的でした。AI時代のDX・内製化に向き合う実務担当者たちが一堂に会し、登壇者への質問も飛び交うなど、学びを持ち帰ろうとする意欲があふれる空間でした。

開会の挨拶

開会の挨拶株式会社メンバーズ 代表取締役社長 髙野 明彦

イベント冒頭、株式会社メンバーズ代表取締役社長の髙野 明彦より開会の挨拶がおこなわれました。

髙野は、日々DXリーダーたちと向き合うなかで感じている課題に言及。「AIの進化で導入ハードルは下がったものの、いざ変革を目指すと組織の壁が立ちはだかる。成果が出ない、外部依存から脱却できないと悩むDXリーダーは少なくない。そうした方々に少しでもヒントを届けたい」と、本イベント開催の背景を語りました。

14本のセッションに込めた共通メッセージは「AIとの共創で実現する内製組織」。AIの可能性を語るのではなく、いかに組織へ実装し、成果を生み出すか。この半日でその「武器」を掴みとってほしいと力強く呼びかけ、カンファレンスの幕を開けました。

メインセッション

大規模組織の社内DXにおける成果創出までの道のり ~NTTドコモR&D内製組織の泥臭い実践~

メインセッション-01株式会社NTTドコモ R&Dイノベーション本部 クロステック開発部 都市デザイン技術開発担当 担当部長 頭川 裕紀氏

頭川氏が力説したのは「社内DXは社内向けの新規事業である」という発想の転換です。システム導入者として「このシステムを使え」と押しつけるのではなく、社内ユーザーをお客さまと捉え、社内起業家として振る舞うことが定着への近道だと語りました。

推進の方法論として「逆算ストーリー」と「トップダウン×ボトムアップの両面作戦」を提示。「開発完了がゴールではない。出した後にどれだけ改善し続けられるかが勝負」という言葉が印象的でした。

味の素社の新規事業から学ぶ、デジタル人財開発とAI駆動開発を実現する内製組織

メインセッション-02(左から):株式会社メンバーズ 専務執行役員 兼 グループ執行役員 デジタルサービス開発本部 本部長 神尾 武志
味の素株式会社 DX推進部 先進ITグループ マネージャー 高木 亮輔氏

各領域の専門家を集めた大規模組織では、委託先への伝言ゲームでリーダーの熱量が冷め、改善サイクルが回らないと語った高木氏。行き着いた答えが「少数のフルスタック人財による内製チーム」です。プログラミング未経験のDX部員がAIを駆使し年間300時間の工数削減を実現した事例を紹介。

「これまでは10人の希望者がいてもビジネスコンテストで選ばれる1人しか新規事業に挑戦できなかった。今後はAIで1人ができることを増やし、10人全員が新規事業に挑戦できるようにしていきたい」というメッセージは、多くの参加者の背中を押しました。

森ビルが挑む「DXを通じたヒルズライフの充実」と「コア領域の内製化」

メインセッション-03(左から):株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー カンパニー社長 庄島 学
森ビル株式会社 麻布台ヒルズ運営推進室 ウェルネス推進部 課長(兼)
タウンマネジメント事業部 TMマーケティング・コミュニケーション部 ヒルズネットワーク推進グループ 課長 中嶋 俊幸氏

「IT企業でない我々が、DXや内製化をどう考えて進めてきたか」と切り出した中嶋氏。ヒルズ内のさまざまな施設が持つ個別の顧客IDやデータを統合する「ヒルズネットワーク」を構築し、ヒルズIDとヒルズアプリを軸にサービス品質を向上させてきた取り組みを紹介しました。

内製化領域の選定では「ビジネス理解の深さが求められる領域をコア領域として優先的に内製化し、高度だがスポットで良い領域は外注しつつAIに代替する」という考え方を重視。最初からすべてを内製するのではなく、メンバーズによる伴走支援を通じて徐々に自走できる組織を目指しているとのことでした。

【キーノートセッション】みずほフィナンシャルグループ人事出身CDTOが語る「DXの主導権奪還」のためのチェンジマネジメント

メインセッション-04(左から):株式会社メンバーズ 代表取締役社長 髙野 明彦
株式会社みずほフィナンシャルグループ 執行役常務 グループCDTO 上ノ山 信宏氏

キーノートセッションには、みずほフィナンシャルグループの上ノ山 信宏氏と、メンバーズ代表取締役社長の髙野 明彦が登壇。冒頭ではメンバーズが実施した「攻めのDX実態調査2025」をもとに、大手企業のDX推進における「経営と現場の認識ギャップ」「実行工程における深刻なDX人材の不足」「外部委託の課題と内製化のジレンマ」といった現状が共有されました。

調査結果の内容を踏まえ、人事畑出身のCDTOというキャリアを持つ上ノ山氏が、DXの本質は「ツールの話」から「変革の話」へ移ってきていると問題提起。AI活用を「オペレーション改善→オペレーショナルモデル改革→オペレーティングシステム変革」という三段階で描き、経営トップのコミットと権限移譲されたリーダーの存在が重要だと語りました。

最後に「変革とは、安定・安住を望む人間の本能に抗うものであり、そのマインドロックを外すチェンジマネジメントが不可欠。こういう場でお互いの苦しさを共有しながら、またトランスフォームを目指していこう」という熱いエールが送られました。

AI×データ活用の鍵は「非構造データ」にあり ~日本ハムが生み出すAI時代の意思決定~

メインセッション-05日本ハム株式会社 IT・DX推進部 リーダー 道菅 公大郎氏

「人は何を根拠に意思決定しているか?」という問いから始めた道菅氏。売上・KPIといった定量データだけでなく、経験・現場知・直感といった定性的文脈でも人は判断している。だとすれば、AIに高度な支援をさせるには数値データだけでなく「ビジネスコンテキスト(文脈情報)」を与えなければならないと論じました。

一方で、ビジネスコンテキスト活用を進めるには、実行リソース不足、専門人材不足、そして外部委託する場合のセキュリティ問題や知見が社内に積み上がらないという3つの壁が存在すると指摘。

そこにマッチしたのが、メンバーズの「あたかも社員®」という支援スタイルだといいます。社内人材にはない専門性を持った上で、顧客の一員として社員と同様に実際に手を動かし、具現化するところまで担ってもらえる。その圧倒的な現場力による伴走支援を通じて、内製実行力の向上が実現していると語りました。

※あたかも社員は当社の登録商標です。あたかも社員(登録商標第6923667号)

変化し続けるAX推進組織の現在地 ~トヨタコネクティッドが挑む、AIで現場業務を変える"進め方"づくり~

メインセッション-06トヨタコネクティッド株式会社 BR AXデジタルトラスト推進部 AX統括室 AX統括G Executive AI Director 川村 将太氏

「あなたの会社のAX推進は何をアウトカムとしていますか?」の一問でセッションを開始した川村氏。アウトカムを単なる数字ではなく「従業員や顧客の態度・行動の変容」と定義し、社内リテラシーを底上げする「AXトレーニング」など具体的な取り組みを紹介しました。

セッションの結びでは、AX推進にあたって「各社の構造・フェーズに合わせた歩き方」と「外部変化に適応するしなやかな内製組織」の重要性を提示。「工数を削減して終わりではなく、常にアウトカムを見据え、熱を持って推進し続けることが不可欠」という力強いメッセージで締めくくられました。

【グローバル基調講演】Google・Waymoが語る:人に寄り添うAIを生む「可視化×UX思考」最前線

メインセッション-07Waymo / Google Design Lead Kent Eisenhuth氏
株式会社メンバーズ 執行役員 エグゼクティブ・サービスプロデューサー nu.Designカンパニー 社長 兼 株式会社アジケ 取締役 杉浦 英明

Google本社とWaymoの両組織でAI×情報設計の最前線を担うKent氏(事前収録映像)と、メンバーズ杉浦によるライブ解説という形式でおこなわれたグローバル基調講演。AIが意思決定に関わる場面が増える今、いかに「人が理解し行動できるデータ体験」を設計するかをFitbitの事例から解説しました。

講演全体を通じて Kent氏 が繰り返し訴えていたのは、「機械のためではなく、人の理解と判断のためにつくる」という一貫した設計思想であり、生成AIの導入が進む企業において、常に人を起点に据え、判断と意思決定につながる体験を丁寧に設計し続けることの重要性を示していました。

パートナーセッション

パートナーセッション会場では、メンバーズの事業領域と連携する7社が登壇。AI・CRM・デザインなど各分野の最前線事例が惜しみなく共有されました。

データ×AI Agentで実現する真の業務変革

パートナーセッション-01グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 データアナリティクス事業本部 Data Analytics Sales Specialist 内山 達貴氏

企業内に眠る「9割の非構造化データ」(提案書・企画書ファイル・SNS上の口コミ・インタビュー音声・動画など)がほとんど活かされていないという現状を指摘した内山氏。

BigQueryとGeminiを組み合わせた「Conversational Analytics Agent for BigQuery」により、エンジニアでなくても現場が自然言語でデータを探索・分析できる世界を紹介。「一部の業務にAIを使う」から「AIエージェントを前提とした業務プロセス」へ、発想の転換を促しました。

現場の声を資産に:PLAUD×トレジャーデータによる営業・店舗DX

パートナーセッション-02(左から):トレジャーデータ株式会社 執行役員 Chief Strategy Officer 大津留 博文氏
PLAUD株式会社 Enterprise Sales Sales Director 鈴木 直幸氏

AIボイスレコーダー「PLAUD」とトレジャーデータが共同展開する「Treasure AI Voice」を紹介する対談セッション。「商談のブラックボックス化」「現場の声が社内でバイアスなく共有されない」という課題に対し、AIによる即時テキスト化・データ化で「記憶から記録へ」の転換を実現すると説明しました。

日報・商談記録の事務作業20〜30分をゼロにすることが第一歩で、その先にAIが専門コーチとして商談の質を高める段階が来ると語った大津留氏。「就業時間中の会話はすべてデータ資産になるべき」という言葉が刺さりました。

内製開発の"共通言語"としてのFigma ─ AI時代のプロダクトづくり

パートナーセッション-03Figma Japan株式会社 Country Manager, Japan 川延 浩彰氏

「AIが開発現場に生む分断」を問題提起した川延氏。デザインとコードの乖離・手戻りコスト増大という非効率を解消するため、FigJam・Figma Design・Dev ModeそれぞれにAIを統合し、アイデア探索から設計・コーディングまでを一気通貫でつなぐ「共通言語」としての機能(Figma Make)を強化していると紹介しました。

自然言語でUIを生成しデザインデータをそのままコードに変換する新機能も公開。「スピードと方向性と差別化、この3つを同時に実現することがAI時代のプロダクト開発に求められている」と語りました。

東大松尾研発スタートアップと紐解く先端AIの社会実装と、企業に求められる組織能力

パートナーセッション-04(左から):株式会社メンバーズ AIフォーオールカンパニー 澤井 里奈
株式会社松尾研究所 代表取締役/CEO 川上 登福氏
株式会社ARCRA 代表取締役社長 藤本 秦平氏

東大松尾研究室をビジネスに落とし込む松尾研究所、松尾研発スタートアップARCRAの両社トップと、メンバーズ澤井を交えた3者のトークセッションで先端AIの社会実装のリアルを語りました。川上氏は「"X(Transformation)"のターゲットが決まっていないことが最大の壁」と指摘し、目的なきPoCが次につながらない根本原因だと語りました。

藤本氏は、AI推進が頓挫する原因として「AIの精度ばかりに注目してしまい、自社のオペレーション全体にAIを組み込む構想が描けていないこと」を挙げました。そして、既存のやり方を手放し変革に踏み出す覚悟こそが、今の企業に求められると締めくくりました。

AI時代にどのように顧客に選ばれるのか:HubSpot最新機能による成長戦略の実践

パートナーセッション-05HubSpot Japan株式会社 パートナー事業部 Partner Development Manager 岩倉 史門氏

岩倉氏はAI時代に「顧客に選ばれ続ける」ための戦略を3軸で解説。①AI検索エンジンへの最適化(SEOからAEOへ)、②HubSpotのAIエージェント「Breeze Agents」による自社固有コンテキストのCRM活用、③外部パートナーと連携しながら内製化を段階的に進める「 CoE(Center of Excellence) モデル」によるデジタル組織育成の3つです。

「汎用AIが提案を代替する今、自社固有の文脈をいかに蓄積・活用するかが他社との差別化になる」というメッセージを一貫して語りました。

エージェントとコンテクストデータで実現する、AI時代の自走する実行組織の作り方

パートナーセッション-06株式会社プレイド シニアアカウントディレクター 大畑 充史氏

単一業務の効率化を目的にAIを導入しても、ROIが問われた途端に頓挫してしまう事例が後を絶たないと大畑氏は指摘。「手元の業務効率化だけではインパクトが小さい。自社の顧客を深く理解し、選ばれ続けるサービスを作ることが目指すべき姿」と語りました。

その解として、購買の意図・行動・文脈を構造化した「顧客コンテクストデータ」をAIに与えることで真の顧客理解が実現すると主張。「データが増えるほどノイズも増す。何をAIに渡すかの設計こそが重要」という言葉には、AI導入を成果に結びつけるために欠かせない重要な視点が示されていました。

AIエージェント時代、CRMとマーケティングはどう変わるか ── Salesforce × 金融業界の実践から考える

パートナーセッション-07(左から):株式会社メンバーズ サースプラスカンパニー カンパニー社長 藤井多鶴子
株式会社SBI新生銀行 CX戦略部 統轄次長 松永 美生氏
株式会社セールスフォース・ジャパン 製品事業統括本部 Head of Agentforce Marketing 島田 崇史氏

SBI新生銀行の松永氏とSalesforceの島田氏による対談を、メンバーズ藤井がモデレートしたセッション。島田氏は「SaaSは残るが使い方が変わっていく」と述べ、マーケターが考える仕事に集中できるよう目的特化型エージェントを展開していると紹介。

Salesforce社内でマネージャー評価にAI活用が加わっていることも明かしつつ、PoCを成果につなげるには「ナレッジをオープンにシェアする組織文化」とクイックウィンの積み重ねが鍵だと語りました。

松永氏はCRMの変化について、「以前は本部がデータをまとめる形だったが、AIによって現場個人のデータ活用の幅が大きく広がった」と現状を共有。データで効果を可視化しながら経営・現場を説得しつつ、使えるところから段階的に進めていくことの重要性を説きました。

懇親会の雰囲気

懇親会の雰囲気-01

懇親会の雰囲気-02

セッション終了後の懇親会も、会場いっぱいの参加者で大いに盛り上がりました。登壇者を囲みながら名刺交換や意見交換が続き、各セッションの熱気がそのまま持ち込まれたような雰囲気でした。業界・職種を超えたDXリーダー同士がつながる場として、活発な対話がいたるところで生まれていました。

イベントを終えて

イベントを終えて

「AIとの共創で実現する内製組織」をテーマに掲げた今年のDXリーダーズ・カンファレンス。多くの登壇者から話があったのは「AIの導入自体を目的にせず、解くべき課題や目的を人間が明確に定義することの大切さ」。そして自分たちが主導権を持ってリードしていくために、内製体制を構築することの重要性でした。

「人間のためにデザインをする」「カルチャーを変えることがDXの本質」「社内起業家としての振る舞いが重要」。技術の進化がどれほど速くても、変革の中心には常に人がいる。本カンファレンスは、その原点を改めて見つめ直す1日となりました。

メンバーズは、「顧客と共に社会変革をリードするデジタル実装パートナー」としてDX現場支援を通じた「内製実行力」の向上により、組織・事業変革をともに実現していきます。

組織の壁を越え、変革の実現を目指す全国のDXリーダーたちの現場に寄り添い、AIを中心としたデジタルテクノロジーの現場実装と成果創出をともに推進していきます。

執筆者紹介

株式会社メンバーズ

「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」を掲げ、DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードする、株式会社メンバーズです。

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