JR西日本SC開発株式会社さま

オーナーシップを持ったチームづくり。PMO/PdMによるDX推進の舞台裏

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メンバーズは、JR西日本SC開発株式会社さまのショッピングセンター事業の統括部門であるカンパニー統括本部にて、CRM領域として、アプリ機能開発及び、CRMの推進(BI構築含)などにおけるPMO/PdMによる支援、ルクア大阪事業本部では、マーケティングコミュニケーション部門における会員施策・デジタルメディア活用などの支援をおこなっています。
今回は、2023年8月から開始したPMO/PdMによる伴走支援の様子や、DXを推し進めるうえでの組織と人の課題に対して、どのような変化が起きたのかについてお話を伺いました。(取材日:2024年9月5日)

写真左から
株式会社メンバーズ
デジタルマーケティング本部 デジタルマーケティングサービス第4ビジネスユニット
アカウントサービス4グループ
浅野 真由
上原 眞子

JR西日本SC開発株式会社
カンパニー統括本部
事業戦略室 マネージャー
石神 孝浩さま

株式会社メンバーズ
デジタルマーケティング本部 デジタルマーケティングサービス第4ビジネスユニット
アカウントサービス4グループ
西脇 航平
菅野 隼也
※インタビュー参加者は石神さまと上原のみ

まずは、石神さまのご担当、ミッションについて教えてください。

インタビューの様子1

石神氏:JR西日本SC開発株式会社で、JR西日本圏内のショッピングセンター事業を統括する部門で、主にCRM活動の推進とマーケティングアプリの開発責任者を務めています。
JRグループのDX戦略として、グループ共通の会員基盤を軸としたグループシナジーの向上と主要事業の成長を掲げているなか、ショッピングセンター事業ではアプリを通じた顧客体験の向上を目標に掲げています。
われわれはそれらの活動を統括する部門として、組織のケイパビリティ強化・戦略策定・戦略実行の水平展開に取り組んでいます。

上原:私は、石神マネージャーを補佐するPMOとしてチームをマネジメントしながら、アプリのPdMを務めています。関係各社へのCRM推進も同時に取り組んでおり、JR西日本SC開発株式会社さまとメンバーズの後方支援をつなげる、全体のコミュニケーションを統括する役割も担っています。

JR西日本SC開発株式会社さまが抱えていた課題と、メンバーズにご依頼いただいた経緯について教えてください。

石神氏:われわれがやっているショッピングセンター事業は、BtoBとBtoCの2つの側面があります。BtoB事業としては、ショッピングセンター内にテナントを誘致し、不動産賃貸のような形で、テナントの売上に応じて賃料をいただいています。

一方で、私のチームがメインで取り組んでいるのが、お客さまの来館を目的としたBtoCマーケティングです。昨年からこのマーケティング活動に注力することになったのですが、実際に始めてみるとマーケティングに関するリテラシーやノウハウが少なく、社内にも専門スキルを持った組織や人材がいないことに気づきました。

悩んでいる最中、昨年沖縄でおこなわれたマーケティングカンファレンスでメンバーズさんと出会いました。メンバーズさんと話していくなかで、目標を達成するために必要な役割の設定や、人材を確保するために自分がすべきことが明確になったため、PMOに関する支援を依頼しました。

メンバーズはどのようにお客さまのチームに参加しましたか?

インタビューの様子2

上原:ご支援当時はアプリのPdMとして参画したのですが、特に詳細な説明がないままスタートしました(笑)。毎日オフィスに常駐型で支援させていただくなかで、自分なりに一から現場のリアルな情報をキャッチアップしたことで、社内文化と業務に関する理解を深められたと思います。

加えて、石神さんと肩を並べて日々対話を重ねることで、方針・目的と今後の施策に対する解像度を高めていきました。もともとはアプリのPdMという役割で参画しましたが、そのような取り組みから、石神さんを補佐するPMOの役割も担うようになりました。石神さんとともにチームマネジメントをしていくことで、アプリに対する戦略や戦術の考え方も変わっていったと思います。

石神氏:メンバーズさんに依頼したとき、全社の方針や目的は明確だったのですが、対して戦略や戦術の部分は明確に決まっていませんでした。そこで、上原さんと打ち合わせを重ね、戦略や戦術の部分について詰めていき、方針に沿って今までの手法から少しずつ改善していきました。

メンバーズ社員とは普段どのようなコミュニケーションをとっていますか?

石神氏:基本的には毎日の朝会で、チームメンバーのタスクを確認しつつ、ディスカッションをしています。私自身、他の部門も兼務しているため、最小限の打ち合わせにしか参加できません。そのため、チームメンバーの普段の様子や進捗状況は上原さんに聞いていますね。

PMOとして業務に携わってもらっていますが、具体的には私と私以外のチームメンバーの架け橋になっていると感じています。普段の打ち合わせで私が話したことを、上原さんがチームメンバー全員に理解できるまで落とし込んでくれています。

メンバーズの伴走支援に対して、メリットを感じている部分はありますか?

石神氏:各部にPMO人材を配置できたことにより、私がいなくとも自走できるチームを目標に取り組んでいます。大きな方針や、今後数ヵ月の目標をチーム全体で共有したあとは、上原さんと今後の注意点やタスクの優先順位について話し合い、タスクマネジメントは基本、お願いする形にしています。

上原:参加しているメンバーやベンダーは役割が違うため、それぞれがどのような目標に対してプロジェクトを進めるべきか、メンバー間ですり合わせをしています。現在のチームにはツール導入、CRM、アプリの3つのプロジェクトがありますが、全員が共通認識を持てるよう事前に会話することを意識しています。

石神氏:最近では、当社グループの各事業会社からの相談窓口もお願いしています。ショッピングセンター事業では事業会社が11社ほどあります。各社のマーケティング活動にアプリやCRM、BIツールなどの活用を水平展開していくうえでは、各社に伴走する役割が重要で、その機能をメンバーズさんと一緒に強化していきます。

実際、社内における相談役として、メンバーズさんを頼りにしている人は多いと思います。私のチームでは、私と私以外のメンバーの年齢差が大きく、良くも悪くも私の意見が通りがちですが、上原さんのようなコミュニケーションを仲介するPMOがいることで、意思疎通がスムーズになっていると感じます。

上原:意識していることは、戦略・部門としての方針理解はもちろん、マネージャー層の考えを理解し、全員で言語化していくことです。石神さんの意見に対しそのまま倣うのではなく、なぜその意思決定にたどり着いたのか、裏にあるものは何なのかという会話を他のメンバーとよく話しています。
このプロセスを丁寧におこなうことで、各プロジェクトチームが当初の目的を踏まえたアウトプットを出すことができ、絵にかいた餅にならないマーケティングDXが実現できると考えています。

PMOがチームに入ったことで、変化したことはありますか?

石神氏:マーケティング理論に基づいた議論が活発になりました。当初は事業者目線の話になりがちでしたが、上原さんが入ってからはユーザー思考、お客さま思考で考えることが増えたと思います。

上原:例をあげると、Z世代向けの企画を考える際に、熱意がある若手メンバーから相談を受けたことがあります。企画について説明を受けましたが、目的と施策がうまくつながっていない状態でした。そこで、フレームワークを利用して考えると整理しやすいという助言をしました。

フレームワークに当てはめて考えることで、目的と想定している施策のズレが可視化され、目的をより明確にできました。議論を通じて、徐々に現場のメンバーだけでプランニングできる土台ができつつあります。

石神氏:他にも、若い世代との仲介者として、上原さんには動いてもらっています。イベントの担当者に、デジタルネイティブ世代である若手の社員が増えてきましたが、InstagramなどのSNSに対する感性が、上の世代の社員とは異なっていると感じています。

デジタルネイティブ世代は、SNSのバズに対する感度は高いと思いますが、マーケティング理論に基づいて言語化ができていません。若い方のほうがSNS運用に関する正解を持っているかもしれませんが、それを会社のミッションに紐づけて運用していく方法がまだわかっていないように感じます。

そういった場面で、メンバーズさんには相談相手になってもらっていますね。現場の相談相手として助けてもらい、われわれの現場の課題感を知ってもらう機会になっています。

PMO支援を開始して1年が経ちましたが、どのような成果がありましたか?

石神氏:組織としてマーケティングを強化していくにあたり、どのような役割が必要なのか、この1年を通して理解できました。人材の観点では、専門スキルを持つ人材の育成プロセスについて、一定数の人が理解、あるいは気づけたと思います。

また、アプリ開発に関しても、8月にようやく新しい機能がリリースできたので、今後の反響が楽しみです。さらに、ゼロパーティデータの取得~分析・活用が社内でできるようになると、大きな成果につながると考えています。

「WESPO My リワードとは」ページ画面

出典:「WESPO My リワードとは」(JR西日本・2024)

一般的に、ベンダーに外注する場合、費用や分析のスピードがネックになりがちですが、メンバーズさんの伴走支援により、費用を抑えつつ、社内でスピーディーに取り組むことにも期待しています。

今後、メンバーズに期待されていることをぜひお聞かせください。

インタビューの様子3

石神氏:自社の足りていなかった役割を1年間で十分に補っていただきました。今後は、社内のメンバーの育成という観点から期待しています。スキルに関して、ともに底上げしていくというフェーズに入ってきたと思っています。

今後もメンバーズさんがPMOやPdMとして参画しながら社内メンバーとともに成長し、自走できるようになれば、人材育成観点としてのメリットを含めて他の現場にも水平展開しやすくなると考えています。

上原:ご支援2年目も頑張ります!

石神さまが登壇されたイベントのレポートはこちら
現場から組織を変えるには?JR西日本SC開発のDX部門における、オーナーシップを持ったチームづくりへの歩み

JR西日本SC開発株式会社さまにおけるメンバーズの支援範囲

企業名 JR西日本SC開発株式会社
所在地 大阪市北区梅田3-1-3
大阪ステーションシティ・ノースゲートビルディング 8階
URL https://jrwsc.co.jp/