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プラスチックのバイオマス化やリサイクルのマーケティング支援

メンバーズは、三井化学株式会社さま(以下、三井化学さま)のグリーンケミカル事業推進室を支援し、企画したセミナーでの定員1,000人を上回る集客といった成果を創出しています。現在の取り組み内容や今後の展望、メンバーズの評価についてお伺いしました。
原料転換の歴史をリードしてきた三井化学が挑む素材のバイオマス化、リサイクル原料の活用
- 三井化学さまでは、プラスチックの在り方を変革すべく、さまざまな取り組みを行っていると伺いました。三井化学さまが推進する「脱プラ」から「改プラ」とは、どのような取り組みでしょうか。
松永氏:プラスチックを取り巻く問題として、製造から廃棄までにおけるCO2排出とプラスチックごみ問題があります。この問題により、プラスチックは生活者からネガティブなイメージを抱かれ、脱プラスチックの動きも生じています。実際に生活者へデプスインタビューをした結果、「脱プラと言われるようになって、プラスチック製品に関わらずものを買うことへの罪悪感を感じるようになった」とコメントされた方がいらっしゃいました。「それって、とても寂しいな」と思ったんです。
ものを買う場面で「罪悪感をいかに払拭できるか」を考えた時に、プラスチックの素材そのものから変えていく「改プラ」のアプローチが重要だと考えました。あらゆるものは素材からできています。素材メーカーの我々は、食品メーカーからIT企業まで、ほぼすべての業界と関係があります。素材から変革することで、もっと効率的にリジェネラティブな社会づくりができるのでは、と考えています。
▼三井化学さまが取り組む2つのソリューション
・バイオマスでカーボンニュートラルを実現する BePLAYER®︎
・リサイクルでサーキュラーエコノミーの実現を目指す RePLAYER®︎
- 三井化学さまが「改プラ」に積極的に取り組む理由は何でしょうか?
松永氏:歴史を振り返ると、過去2回の原料転換をリードしてきたというのが、背景にあると思います。遡ると、当社は1912年に九州の大牟田にある三池炭鉱で採掘した石炭をコークスという燃料状態にする際に出る副産物から、化学の力で肥料を造ったのが始まりです。その後、1958年には石油化学事業に舵を切り、日本で初めての石油化学コンビナートを建設しました。
エネルギーが石炭から石油へと変わる中で、石油精製でガソリンを作る際に発生する副産物であるナフサを原料とした化学品・プラスチックの製造を開始しました。現在はカーボンニュートラルに貢献するバイオマス化や、サーキュラーエコノミーに貢献するリサイクルの取り組みを進めています。
振り返ってみると1912年の石炭、1958年の石油、現在のバイオマス資源やリサイクル資源と約50年毎に原料転換が起きており、そのタイミングで社会もそして三井化学も大きく成長してきました。原料転換は社会的に大きなインパクトがあり、三井化学としてもプライドを持ち、率先して取り組む必要があると感じています。
メンバーズには「面白い」と「成果」のバランス、提案力といいものを仕上げるための粘り強さがある
- 三井化学さまは、素材について高い知見を有しながら自社であらゆるマーケティング施策を実施されています。なぜメンバーズにご相談をいただいたのでしょうか?
松永氏:素材が変わっても、ものづくりをするメーカーや消費者に選ばれなければいけません。そのためには、メーカー・消費者へ刺激・気づきをいかに与えるかが非常に重要です。三井化学が持っていない部分について、メンバーズさんから刺激を得たいと考え、2023年9月から現在のお取り引きが始まりました。
メンバーズさんが脱炭素マーケティングの一環として実施されているアンケート調査の実績などを見て、データに基づいたコミュニケーションが一緒にできそうだと思ったのもきっかけの1つです。
脱炭素DX研究所で実施した調査例:
第8回【気候変動と商品・サービスの購入に関する生活者意識調査】(2023年7月5日)
- メンバーズではどのような支援を行ってきましたか?
メンバーズ 中村:素材調達やサステナブルな製品開発を行う担当者さまをターゲットとしたセミナー開催や、定量・定性調査、ホワイトペーパーの作成、動画制作など、多岐に渡り支援させていただいています。セミナーでは、定員の1,000名を上回るお申し込みをいただき、三井化学さまの取り組みの認知向上に貢献できたと思います。
油井氏:作成いただいたホワイトペーパーは、営業資料として活用しています。お客さまだけではなく、三井化学の社員もダウンロードして勉強に役立てていると聞いています。
▼メンバーズで企画したセミナー
・欧州事例から学ぶ!カーボンニュートラル社会で求められる「脱プラ」に代わる選択肢とは?
・世界におけるプラスチック規制の動向~脱プラ社会に求められる企業行動と生活者ニーズ~
・コーヒー片手にプラスチックのお話しでもいかがでしょう、オンラインセミナー/アフタートークCafe






▼メンバーズが作成を支援したホワイトペーパー
メンバーズ 原:私たちは多くの企業を支援していますが、最初からある程度の支援範囲や要件が決まっていることがほとんどです。しかし、本案件で私たちは、まず三井化学さまとディスカッションし、施策のアイデアを出してから実行しています。正直なところ、プラスチック素材に関しては三井化学さまに教わりながら日々勉強中です。企画力が問われるので苦労もありますが、デジタルと関係がない施策や、当社に前例がない取り組みでも、決して「できない」と言わないスタンスであらゆるご支援をしています。
- これまでさまざまな施策を共に実施する中で、メンバーズへの評価はいかがですか?
松永氏:総合的に満足しています。私たちがやりたいことを汲み取ってアイデアを出してくれるので、信頼していますね。ご依頼した施策の中には、デジタルと関係がないものもありますが、デジタルだけならメンバーズさんに頼んでいないかもしれません。いい意味で、メンバーズさんをデジタルの会社と思わず、お付き合いしています。
藤本氏:他社さんですと「御社は何がしたいですか?」と聞かれ、こちらが要素をかなり出してから、まとめていただくことが多いです。メンバーズさんは、我々の要望を軽く“ジャブ打ち”すると、「こういうのはどうですか?」と叩きを提案していただけます。その叩きをもとに、みんなでボクシングが始まる感じなので、お互いで作り上げている実感があります。
前者のやり方だと、どうしても我々のスコープに収まってしまいますが、メンバーズさんのやり方だと、もう一段面白い企画ができるので助かっています。
メンバーズ 原:私たちも面白く仕事することを心がけていますね。ただ「成果は出そうぜ」とメンバーには話をしています。
松永氏:「面白さ」と「成果」のバランスは難しいですよね。ただ面白いだけでは目的とは異なります。メンバーズさんは、その辺のバランスがいいなと思っています。
メンバーズ 中村:ありがとうございます。私たちも楽しみながら幅広い領域のご提案をしていますが、どうすれば本来の目的につながるか、企画の根本は忘れないようにしています。
藤本氏:メンバーズさんは、クライアントと取引先の関係を超えたパートナーという意識があります。メンバーズさんはいいものを仕上げるために最後まで粘ってくれますね。
メンバーズ 中村:ホワイトペーパーの施策から粘り強い印象を持っていただけたのかもしれませんね。ストローの素材別のLCA比較をまとめたホワイトペーパーを作成しましたが、知識不足もあり、三井化学さまからたくさんのフィードバックをいただきながら、完成に至りました。
メンバーズ 原:何事もWin-Winでなければ長続きしないと思うのですが、三井化学さまのビジネスは知れば知るほど、世の中に紹介したくなるんですよね。
メンバーズ 中村:メンバーズが掲げているVISION2030にある気候変動問題の解決への取り組みにもつながる部分が多いこともあり、三井化学さまの取り組みに共感し、もっと改プラをはじめとした取り組みが世の中に広がるといいなと思いながら支援しています。
松永氏:ありがとうございます。メンバーズさんには約3,000名のデジタルクリエイターがいると聞いているので、我々が掲げる「世の中にバイオマスやリサイクルの取り組みを広げ、人々のリジェネラティブなライフスタイルの実現に貢献したい」というパーパスに向けて、いま議論している施策だけではなく、さらに視点を変えた提案で新たな施策も協業できたらと思います。
(最終更新日:2024年5月)
サービスのご案内
お客さま情報
社名 | 三井化学株式会社 |
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業界 | 素材・素材加工品 |
課題 | 社会課題を解決したい DXの内製化を推進したい |
主な支援サービス | 脱炭素DX |
