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2021年10月14日

気候変動と企業コミュニケーションに関する生活者意識調査

約7割が気候変動配慮商品を購入したい一方、実際に購入したのは3割弱
~従来の価値基準を満たすことが、気候変動に配慮した商品・サービス普及の鍵に~
  • 購買経験者は3割にとどまるものの、継続的な購入希望は9割を超える
  • 非購入者は、価格・品質が従来と同様であれば購入したいと回答
  • 約6割が企業の関連情報発信を「分かりにくい」と回答し、購買行動に繋がりにくい実態

東京都中央区晴海 1 丁目 8 番 10 号
株式会社メンバーズ
代表取締役社長 剣持 忠
(証券コード:2130 東証第一部)

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株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長 剣持 忠、以下「メンバーズ」)は、2021年3月に引き続き(※1)4回目となる「気候変動と企業コミュニケーションに関する生活者意識調査(CSVサーベイ2021年10月)」を実施しました。

背景・目的

温室効果ガスを主原因とする気候変動問題は、全世界で早急に解決すべき課題であり、重要な社会課題と認識されています。日本政府は2020年10月に2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロ(以下、カーボンニュートラル)とする目標を掲げ(※2)、全ての事業者や国民は化石燃料に頼るビジネス・ライフスタイルから脱却し、脱炭素社会へと移行することが求められています。今後、脱炭素社会を実現するためには、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済モデルから、脱炭素社会に順応する新たなマーケティング活動や事業活動を基準とした持続可能な経済モデルへ転換することは必要不可欠です。

メンバーズは、2020年5月に発表したVISION2030にて「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」(※3)ことを掲げております。企業や生活者の気候変動問題への意識を高め、事業活動およびマーケティング活動の脱炭素化を促進する一助となることを目指し、継続的に気候変動と購買行動に関する生活者の意識調査・発信をしています。

4回目の調査となる今回は、調査・マーケティングの有識者である青木 茂樹教授(駒澤大学 経営学部 市場戦略学科)と江戸 克栄教授(県立広島大学大学院 経営管理研究科)の監修のもと、本調査を実施しました。

総括・調査結果からの提言

生活者が普段の購買行動で重視することは、「価格(85.3%)」や「機能性・利便性(77.4%)」「入手のしやすさ(77.7%)」が多くを占める一方、約7割は気候変動に配慮した商品を「価格が同程度、もしくは1割程度高くても購入したい」と回答、また購買経験のある生活者のうち9割は「継続して購入したい」と回答していることから、気候変動に配慮した商品の購入者は満足度が高いことが伺えます。

一方、実際に購買に至った購入者層は3割に留まり、企業の気候変動対策に関する情報発信に関する設問では6割が「わかりにくく伝わらない」と感じており、生活者は「テレビCM(56.1%)」「企業のWebサイト(37.7%)」「商品パッケージやサービスへの表示(34.2%)」「ソーシャルメディア(29.2%)」といった日常的に使用する媒体においても、企業が取り組む気候変動関連の情報発信を求めていることから、企業のマーケティング活動・コミュニケーションには課題があることが伺えます。

また、非購入者層は「従来の商品と比べて、機能や性能が同等、食品の場合は味が同等」「従来商品と比べて価格が安いか同等」といった条件があれば、関連商品を購入したいとの回答が多いことから、CO2排出量を減らしながらこれまでの価値基準を満たす商品・サービス提供を行い、分かりやすく具体的な情報発信を行うことで、更なる顧客開拓を行うことが期待できます。

これらの結果から、気候変動に対応した商品やサービス開発、マーケティング活動は企業・サービスの新たな付加価値として、ビジネス成果・マーケティング成果の創出に有効であると考えられます。企業経営者やDX(※4)推進責任者は、持続可能なビジネス成長を目的に「炭素生産性」指標(※5)を用いてDX推進によるビジネス変革を実現し、新たな付加価値をもったモノづくりやサービス提供を推進することが重要であると言えます。

調査アドバイザーのコメント

青木 茂樹氏(駒澤大学 経営学部 市場戦略学科 教授):

今回の調査の意義は、サステナビリティの中でも重要な問題である脱炭素と消費者行動の関係について言及したことだ。世界の企業は急速にこのルールへと大きく舵を切っており、日本においても菅元総理の2050年までの脱炭素宣言により加速化することとなった。脱炭素はエネルギー問題だけではなく、食品ロスを減らしたり、野菜中心の食生活への切り替え、テレワークへの推進や断熱リフォームなど「食、移動、住居」と実はその裾野は広い。そこで今後の経年的調査により、消費者の脱炭素の意識が製品カテゴリーでどのように違っているのか。さらに企業はどんなメッセージをどのように伝えていけば良いのかを考える指標となっていくことだろう。

江戸 克栄氏(県立広島大学大学院 経営管理研究科(HBMS)教授):

1992年リオ宣言以降、世界中で気候変動問題が広く議論されるようになり、現在ではサステナブルな環境にとって主要な関心領域となっている。日本でも、毎年のように異常気象による災害が頻繁に起こっており、気候変動問題は益々、生活者の大きな関心事になっている。このような中で、気候変動問題への生活者の関心、知識や実際の購買行動に関する定量的リサーチを実施したことはたいへん意義がある。特に生活者の購買行動や意識を商品カテゴリー(生活雑貨、食料品、家電、ファッション)に分けて調査をしたことは、企業のマーケティングやコミュニケーション活動に大いに役立つことであろう。今後も、このような調査を継続的に実施し、有益な知見を見出していくことが期待される。

メンバーズが推進する「脱炭素DX」について

メンバーズでは、「脱炭素DX」とは、企業がDXを通じて持続可能なビジネス成長と脱炭素社会創造を同時に実現することであると定義しています。企業が脱炭素時代において持続的な成長を実現するためには、業務効率化やコスト削減に加えて、製品・サービスの価値を再定義し、デジタル・テクノロジーを通じてビジネスモデルの転換を図り更なる新しい価値を創出する「DX」を推進することが必要であると考えています。当社は、企業のDX支援を通じて、ビジネスモデル変革による持続可能なビジネス成長とデカップリング実現、ひいては脱炭素社会の創造を目指しています。
<メンバーズが推進する脱炭素DXはこちら>
https://www.members.co.jp/why-dx/

本調査を分析・解説するウェビナーを開催

脱炭素DXをテーマに、本調査のアドバイザーである駒澤大学の青木 茂樹教授を迎え、サーベイ結果を分析・解説するほか、環境経済学の専門家でありメンバーズのアドバイザーである京都大学大学院の諸富 徹教授、再生可能エネルギー事業などを行う株式会社UPDATER(旧:みんな電力株式会社)の三宅 成也 COO 専務取締役をゲストにウェビナーを開催します。

テーマ:「脱炭素DX」脱炭素と事業成長の両立を考える
日時:2021年11月4日(木)15:00~17:30(予定)
会場:オンライン形式(Zoom)
費用:無料
登壇ゲスト:京都大学大学院 経済学研究科 副研究科長 教授 諸富 徹氏
駒澤大学 経営学部 市場戦略学科 教授 青木 茂樹氏
株式会社UPDATER(旧:みんな電力株式会社)COO 専務取締役 三宅 成也氏 ほか
<セミナー詳細・お申込みはこちらから>
https://marke.members.co.jp/20211104.html

主な調査トピックス

  1. 6割(63.1%)が地球温暖化や気候変動問題に関心があると回答。
    年代別で見ると、20代は5割(50.0%)であったのに対し、50代は7割(71.9%)、60代は約8割(78.4%)と年代が上がるにつれ生活者の地球温暖化・気候変動への関心が高まる傾向に。
  2. 購買時に重視することは「価格」でトップ回答。
    2位以下の回答を4つの商品カテゴリー別(①日用品、②食料品、③家電・電子機器、④ファッション)では、日用品や家電・電子機器では「機能性・利便性」、食料品では「入手のしやすさ」、ファッションでは「おしゃれ・デザイン」となり、従来と大きな変化は見られなかった。
  3. 約7割(66.7%)は「価格が同等もしくは1割程度割高でも気候変動に配慮した商品を選ぶ」と回答。さらに、購入者の9割(96.3%)は「継続して購入したい」と回答し、気候変動に配慮した商品の購入者は満足度が高いことが伺える。
  4. 過去半年以内で実際に気候変動の対応商品を購入したのは3割弱(28.1%)のみ。
    購入意向は高い一方で行動が伴いにくい実態が明らかに。
  5. 6割(61.4%)は企業の気候変動対応に関する情報を「わかりにくく伝わらない」と回答。
    事業活動や商品・サービスにおける気候変動の関連情報に関して、企業はより具体的で分かりやすい情報を発信する必要があると言える。
  6. 生活者が望む企業の気候変動対応情報に関する発信方法は、「テレビCM(56.1%)」がトップ回答。
    2位以下は「企業のWebサイト(37.7%)」「商品パッケージやサービスへの表示(34.2%)」「ソーシャルメディア(29.2%)」と続く結果に。
  7. 気候変動関連商品の非購入者は、品質や価格が従来商品と同等または優れていることが重要。
    非購入者は、「従来の商品と比べて機能や性能、食品なら味が同等(33.2%)」「従来の商品と比べて価格が同等か安い(32.5%)」という商品であれば購入すると回答。また、「どのような商品が対象商品であるか分かる(24.1%)」ことが重要とする回答も一定数あり、商品の品質やコストだけでなく、分かりやすいパッケージ作り・情報発信も重要である結果となった。
  8. 地球温暖化や気候変動問題に対して現在取り組んでいる行動TOP3は「マイボトルやエコバッグなど再利用可能な保存容器の利用(71.1%)」「ごみの分別、なるべくゴミを出さない、過剰包装を避ける(64.9%)」「食べ残しを避けるなどフードロスを意識した行動(62.9%)」
    普段の生活において手軽に行える回答が多かった一方、今後取り組みたいとの回答を見ると、「気候変動に貢献する認証マーク付き商品の購入(45.2%)」、「再生可能エネルギーを主力電源にしている電力会社への切り替え(41.3%)」「省エネ性能の高い家電などの購入(37.9%)」「ハイブリッド車・電気自動車の利用(37.2%)」など、環境への配慮が明らかになっている製品・商品・サービスの購買をしたいとの回答が多く見られた。
  9. 生活者が求める気候変動問題に対する企業の取り組みTOP3は「過剰包装を避けたり、環境に配慮した容器の使用(71.0%)」「リサイクル素材や環境に配慮した原材料の使用(71.0%)」「長期間使用できる商品開発、修理やメンテナンスへの対応(70.4%)」
    CO2排出削減に繋がる取り組みを求める声が大きく、「再生可能エネルギーによる商品・サービスの製造・開発(67.5%)」「デジタルの活用による不要なモノの廃止(67.4%)」との回答が続く。デジタル活用や、電源構成の変更への踏み込みも期待が高い。

アドバイザーの紹介

駒澤大学 経営学部 市場戦略学科 青木 茂樹教授

サステナブル・ブランド国際会議 アカデミック・プロデューサー
慶應義塾大学商学部卒業、慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得。南カリフォルニア大学マーシャルスクールオブビジネスにて研究員。山梨学院大学現代ビジネス学部教授などを経て、2008年駒澤大学経営学部市場戦略学科教授。山梨県産業振興ビジョン策定委員会委員、山梨県新しい都市づくり委員会委員などを歴任。日本マーケティング学会サステナブル・マーケティング研究会リーダーを務める。

県立広島大学大学院 経営管理研究科(HBMS)江戸 克栄教授

慶應義塾大学商学部卒業、慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得。文化女子大学(現文化学園大学)服装学部専任講師、准教授、教授を経て、2016年県立広島大学へ着任。2018年より県立広島大学大学院経営管理研究科ビジネスリーダーシップ専攻長を務める。平成30年西日本豪雨災害を契機に、防災マーケティングを提唱し、防災社会システムデザインプロジェクト研究センターを設立。

調査概要

調査名:気候変動と企業コミュニケーションに関する生活者意識調査(CSVサーベイ2021年10月)
対象条件:20代以上の男女
調査期間:2021年9月1日~9月3日
調査方法:Webアンケート調査
サンプル数:1,118
調査アドバイザー:駒澤大学 経営学部 市場戦略学科 青木 茂樹教授、県立広島大学大学院 経営管理研究科(HBMS)江戸 克栄教授
企画:株式会社メンバーズ EMCカンパニー
実査:株式会社メンバーズ ポップインサイトカンパニー

調査結果の詳細

本調査結果(全回答レポート)はこちらよりダウンロードいただけます。
https://marke.members.co.jp/memberspaper78_csv202110.html

  1. メンバーズ、「気候変動問題・SDGsに関する生活者意識調査(CSVサーベイ)」を実施
    https://www.members.co.jp/company/news/2021/0325_2.html
  2. 第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説
    https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html
  3. VISION2030(https://www.members.co.jp/company/vision2030.html)メンバーズは2030年の目指す姿としてVISION2030「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を中心した社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」を2020年5月8日に発表しました。
  4. デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation;DX)とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
  5. 炭素生産性とは、GDPや企業・産業が生み出す付加価値(分子)を、二酸化炭素排出量(分母)で割って算出し、数値が大きいほど脱炭素化社会での持続可能性が高まり、「炭素生産性」向上には企業のパーパス(企業の存在意義)に沿ったDX推進、ビジネス変革が鍵を握ると考えられます。

株式会社メンバーズ

所在地 東京都中央区晴海1丁目8番10号
晴海アイランド トリトンスクエアオフィスタワーX 37階
代表者 代表取締役社長 剣持 忠
資本金 935百万円(2021年6月末時点)
URL https://www.members.co.jp/
Facebook https://www.facebook.com/Memberscorp
Twitter https://twitter.com/Members_corp

本リリースに関するお問い合わせ

メンバーズでは、緊急事態でも安全を確保しながら業務を継続・遂行が可能な「新しい働き方」として、これまでの全員がオフィスに出社する働き方から、生活様式の変化に対応したオンライン中心の働き方に移行しております。このため大変ご不便をお掛けいたしますが、お問い合わせはメールにてお願いいたします。

株式会社メンバーズ EMCカンパニー 広報担当 江口

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