株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:剣持忠、以下「メンバーズ」)は、消費者の購買志向の変化を探るため、一般消費者向け商品・サービス販売を行う全63社のユーザーに対し、Webアンケート調査「エンゲージメント・サーベイ」を実施いたしました。調査の結果、Webサイト上で本業による社会課題への解決姿勢(CSV)(※1)を訴求する企業への、消費者の継続利用や他者への推奨意向が高まる結果となりましたのでお知らせいたします。
本調査の結果から、Webサイト上で、本業による社会課題への解決姿勢(CSV)を訴求する企業への共感度、商品・サービスの継続利用が高くなることがわかりました。近年、商品のコモディティ化が進み、差別化が難しい状況においては、消費者の購買行動に影響を与える要因も、デザインや価格、機能だけでなく、企業のビジョン・価値観や本業による社会的課題への解決姿勢など、多様化しています。今後、CSVをWebサイト上で訴求する企業への共感度はさらに高まることが予想され、企業も自らCSVを発信していく必要が求められています。
「その企業のビジョン・価値観や世界観、強い思いを感じるか」という質問に対し、ポジティブな回答をした層は、ネガティブな回答をした層に対して、商品・サービスの継続利用意向が27ポイント高く、他者への推奨意向も40ポイント高い結果となった。また、「その企業が社会的課題の解決を図ろうとする印象を感じるか」という質問に対し、ポジティブな回答をした層は、ネガティブな回答をした層に対して、商品・サービスの継続利用意向が27ポイント高く、他者への推奨意向も37ポイント高い結果となった。
すなわち、消費者に企業価値を適切にメッセージングすることは、商品・サービスのリピート率向上と、他者への推奨による新規顧客の獲得機会増加が見込まれるため、マーケティング上有効な戦略であると考えられます。
「その企業が社会的課題の解決を図ろうとする印象を持つか」という質問に対し、全63社中、良品計画が最も高い評価を得ました。
※全回答数7,169。「Q.その企業が社会的課題の解決を図ろうとする印象を持つか」という設問に対して「そう思う」と回答した場合を100点、「まぁそう思う」と回答した場合を50点とし、全回答者の平均点を算出した。
「対象企業が発する情報源の内、最も影響を受ける企業のメディア(情報源)は何か」という質問に対し、Webサイト(公式ホームページ)という回答が最も多い結果となりました。またWebサイト、テレビ、店舗の3回答で、全体に対し7割の回答率を占めました。
上記Webサイト(公式ホームページ)、テレビ、店舗のメディアと回答した消費者のうち「購買において企業の考え方や姿勢を重要視する」、または「社会的な課題の解決に関心がある」と回答した消費者は、Webサイトを利用すると回答した層に最も多い結果となりました。以上の結果から、Webサイト上で企業の価値観や社会的課題への解決姿勢を発信することは、消費者の購買に繋がると予想されます。
この結果から、商品力による差別化が困難な状況において機能や価格の商品の価値を訴求するよりも、企業のビジョンや社会問題解決の姿勢を訴求するほうが、より消費者の心象に影響を与えやすいと考えられます。
対象条件:一般消費者向け商品・サービス販売を行う全63社のユーザー調査、専門家による63社のWebサイトのヒューリスティック調査
実施期間:2016年7月25日~2016年8月2日
調査方法:Webアンケート調査
有効サンプル数:全7,169回答数(同一ユーザーによる他企業への重複回答あり)
※1 CSV(Creating SharedValue=共通価値の創造):企業の競争戦略論の世界的第一人者として知られる米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が米ハーバード・ビジネス・レビュー誌の2011年1月・2月合併号(日本語版はダイヤモンド社「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」2011年6月号)に寄稿した論文で提唱した概念。CSVとは、「社会的課題の解決と企業の利益、競争力向上を同時に実現させ、社会と企業の両方に価値を生み出す取り組み」を意味します。