SEMコラムVol.50
リスティング運用における入札調整の落とし穴

株式会社メンバーズ メディアマーケティング事業部 金澤 大輔

リスティング広告の運用はキーワード選定からランディングページ最適化まで多岐にわたりますが、なかでも重要なのはキーワードの入札調整です。
自動ビッディングツールの導入も増えてきましたが、まだまだ手動入札での運用を行っているケースが多いのではないでしょうか。

手動入札で気をつけなければならないことは、データを点で捉えてしまうことです。

毎日細かく入札することが改善につながるとは限りません。
またそれが逆にパフォーマンス悪化につながってしまうこともあります。

以下の例を参考にみていきましょう。

スモールワードはカテゴリ単位の調整を行う

2語~4語の組み合わせのキーワードの場合、1桁台のコンバージョンワードが複数並ぶようなレポートになるケースが多いと思います。

たとえばある月のレポートを見た時、
「東京 住宅 戸建て」のコンバージョンが3件、
「住宅 東京 戸建て」のコンバージョンが1件で両ワードのCPCが同じだったとします。
この場合、前者の入札価格を後者よりも高く設定することは正しいのでしょうか。

クリック数が少ないスモールワードでは、短期的な結果からの判断は避けるべきです。
特に上記の例のような語順入れ替えパターンや、キーワードに含まれるニーズが同じ場合長期的にはそれぞれのコンバージョン率は同程度になる可能性が高いと考えられます。
そういったキーワードは同じ広告グループにまとめ、広告グループ単位で調整しましょう。

ある程度母数が溜まってから、目立った傾向が出てきた場合にはじめてキーワード単位での調整を行うことをおすすめします。

コンバージョンの少ないキーワードにおいては、検証期間のスパンを長くとり、俯瞰的にデータを見ていくことが大切です。
そのためキーワードのカテゴライズが非常に重要となってきます。

ビッグワードの最適化には注意

多くの場合、スモールワードに比べてビッグワードではCPAは高い傾向にあります。
その理由としては、競合が多いためCPCが高くなること、ニーズが(スモールワードに比べて)潜在的であるためコンバージョン率が低くなることがあげられます。

仮にアカウント全体の目標CPAが\3,000だったとしましょう。
とある月のビッグワードAのCPAが\5,000だったとしたら、そのキーワードの入札価格は下げるべきでしょうか。

運用しているキーワードがもしもその1ワードのみだとしたら、下げることが妥当です。
しかし多くのアカウントは、ビッグワードだけではなくスモールワードも運用していて、以下の例のような構成になっているかと思います。

ビッグワードA :コンバージョン数20 CPA\5,000
スモールワードB:コンバージョン数5 CPA\1,000
スモールワードB:コンバージョン数5 CPA\1,000
スモールワードB:コンバージョン数5 CPA\1,000
スモールワードB:コンバージョン数5 CPA\1,000

この場合、全体のコンバージョン数は40でCPAは\3,000となるため、目標CPAを達成しています。

ビッグワードのCPAが目標よりも高いからといって、入札価格を下げた場合、全体のCPAはもちろん下がりますが、掲載順位の低下によりクリック数が減少することで、コンバージョン数も減少してしまいます。
部分ではなく全体で最適化になるような入札を行いましょう。

リスティングのデータは日々変化するため、すべてのキーワード毎に最適な入札価格を算出することは困難です。
また、キーワードの量に比例してリソースの量も増加してしまいます。
入札による最大の効果を求めるのであれば、やはりビッディングツールは欠かせない存在となってきているのではないでしょうか。