Webマーケティングにおけるボトルネック解消方法
株式会社メンバーズ 執行役員 原 裕
企業のWebマーケティング、特にECや資料請求、申し込みなどを主たる目的とする場合、Webマーケティングの効率性、効果性が常に要求されます。
最近は様々なソリューションや効果検証ツールが安価に提供されるようになり、企業のWeb担当者は実施したマーケティング施策効果や効率性を各自でも追及できるようになりました。各業務エリアの部分最適化は以前より効果があがっています。
その一方で部分最適化の効果、効率を追及するあまり、全体的に見れば最終効果を挙げられる可能性の高い施策を実施しない、あるいは一回の実施結果の細かい効果検証だけで判断をしてしまい、潜在性の高い施策を見失ってしまうということがおこっています。
つまり枝葉にこだわるあまり、木の幹を見ることが出来ていないということです。
メンバーズでは企業のWEBマーケティングをサイト構築・運用、ネット広告、eメールなどの業務支援を通じて、クライアントのマーケティング・ゴール達成のために、担当の方と日々PDCA(Plan Do Check Action)を実践しています。このマーケティング活動の中で重要なのは、1)目標を達成するために必要なタスクの管理数値目標=KPI(Key Performance Indicators)を設定し、2)全体の流れの中(※下記図参照)で何が障害(ボトルネック)になって流れが詰まっているのかを探し出し、早急に改善し、その流れが直ったかどうかを検証することです。我々はこれをボトルネック検証法と呼んでいます。
私たちの知見では、多くの基本的な検証ポイントがあり、これに業種特有のポイントが付加されます。
ボトルネック検証の肝は下記の3つです。
- 全体を俯瞰して検証する
- 細部にこだわる
- PDCAを常に実践する
以上3つは単純なようですが、実は1と2の両立が難しくなっています。
例えばネット広告とサイト運用を別部門で担当している場合など、部門最適化はできたとしてもWeb全体のレビューはなかなか実施できていないのが現状です。
当社はクライントと検索サイトからの流入から最終コンバージョン(購入、資料請求など)までの分解図を作り、Webマーケティングにおける施策ポイント全体概要を常にクライアントと共有し、PDCAを実施しています。当社のあるクライアントでは流入から購買までの主導線を65通りに分け、常にそのコンバージョン状況をダッシュボードで把握し、施策を実施しています。
詳細はWebボトルネック診断サービスをご覧ください。
マーケティングの定義とインターネットによるマーケティング革新
株式会社メンバーズ 執行役員 原 裕
そもそもマーケティングとはどのようなことなのか、実はマーケターの数だけ定義があります。
下記は「有名な」マーケティング定義ですが、それぞれに重みがあり、いまだにその輝きを失わない名言です。
- マーケティングとは、価値を創造し、提供し、他の人々と交換することを通じて、個人やグループが必要(ニーズ)とし欲求(ウォンツ)するものを満たす社会的、経営的過程である」(フィリップ・コトラー 「マーケティングマネジメント(第7版)」)
- 「マーケティングとは、顧客の創造である」(セオドア・レビット)
- 「マーケティングの究極の目標は、セリング(売り込み)を不要にすることだ」(ピーター・ドラッガー )
- マーケティングとは、組織とステークホルダー(関与者)両者にとって有益となるよう、顧客に向けて「価値」を創造・伝達・提供したり、顧客との関係性を構築したりするための、組織的な働きとその一連の過程である。(アメリカン・マーケティング協会2004年改訂)
さて、インターネットがマーケティング(特にマーケティング・コミュニケーション)を大きく革新させたことに疑問の余地はありません。
中でも、コトラーの有名な4P(price、promotion、Placement、Product)に照らし合わせたものが、インターネットによるマーケティングの革新事例としてあげることができます。
- Price(価格):ネットによるダイレクトモデルの加速やオークション、価格比較による従来の価格設定とは違う価格政策
- Promotion(プロモーション):従来の4マス中心のメディア・ミックスからネットが第三のメディアになり、また顧客の口コミを重要視したAISASモデルが重要に
- Placement(流通):AmazonをはじめとするECの出現による無店舗流通の出現や音源や画像の配信による無在庫流通などの出現
- Product(商品):デジタルコンテンツの出現
これらはたかが10年強でなされた変革です。今後10年はどんな変化がマーケターに待ち受けているのでしょうか?
しかし、どんなに大きな変化が訪れたとしても、マーケティングの定義自体は大きく変わらないと考えています。
CRMに関する10の質問
株式会社メンバーズ 執行役員 原 裕
新規顧客の獲得と同様に、いやそれ以上に重要なのが既存顧客、それも企業に利益をもたらす優良顧客へのマーケティング活動です。この優良顧客へのマーケティング活動の考え方にCRM(Customer Relationship Management あるいはMarketing)があります。
Webやe-MailはCRMを効果的に推進する基盤として活用されていますが、そもそもCRMというものを実施している企業、あるいはこれから開始しようとしている企業、そして我々のようなWebマーケティング支援企業ですらCRMの定義、そして優良顧客に対する考え方がまちまちです。
下記は我々がCRMのご相談を受けたときにまずクライアントにお聞きするCRMに関する10の質問です。これを明確化することがCRM戦略そのものだと考えています。
- 優良顧客とその他の顧客を差別化していますか?
- 優良顧客の定義は?
- 優良顧客が会社にもたらしてくれる利益は?
- 優良顧客のニーズを把握していますか?そして優先順位をつけて対策を講じていますか?
- 優良顧客1人が退会すると生じる損失額を把握していますか?
- 顧客を1人獲得する費用はどれくらいかかっていますか?
- 優良顧客を維持することの重要性を従業員は分かっていますか?
- 優良顧客に対する施策について競合との比較を常に行っていますか?
- 優良顧客の満足度キードライバーを把握していますか?(3つあげてください。)
- 顧客満足度調査を定期的に実施していますか?
リレーションシップ・マーケティングの意義
株式会社メンバーズ 執行役員 原 裕
リレーションシップ・マーケティングの意義は、(企業に収益をもたらす)顧客を見つけ出し、その顧客との関係性を強化・維持することによって効率性の高いビジネスを展開することです。
ただし、すべての企業、商品、サービスにこのマーケティング・アプローチが適応させられるとは限りません。このアプローチが有効なのは、マスコミュニケーションでの施策より、継続的に顧客に利用・購買させるための施策が効果的な商品の場合です。
※この例としてはバング&オルフセン、マッキントッシュ、アメリカン・エキスプレス、シティバンク(プライベートバンキング)などが挙げられます。
こういった例を鑑みても、嗜好性が高く、顧客の思い入れが強く、比較的高額である商品、ブランド、サービスにおいてリレーションシップ・マーケティングは有効であると考えられます。
また、これらの商品に関しては、マスコミュニケーションによって認知度を向上させることももちろん重要ですが、商品にブランドロイヤリティという、特別の思いを醸造させ、ライフタイムバリューでのシェアを拡大させることが戦略的にもより重要です。
競合他社商品に比べて極めて顧客の嗜好性が強い商品では、マスコミュニケーションと平行して、このリレーションシップマーケティングアプローチを行うことが重要になります。その際に課題となるのは費用対効果の検証ですが、リレーションシップマーケティングアプローチはマスコミュニケーションに比べると効果が検証し易いのが特徴です。また、ITの活用によりその効果性は更に高まっていきます。
HTML vs. Text ?
私が登録しているメールマガジンの約60%はHTMLメールです。HTMLとテキスト、どちらが効果がよいのかをクライアントからよく問われますが、最近は使い分けを勧めています。
私のクライアントで大手流通のECサイトは月一回のHTMLメールをここ2年ほど実施していますが、今回あるキャンペーン期間中だけ特報メールということでテキストメールを配信しました。配信先は通常のHTMLメールと同様です。
ただし、今回は編集方針を変えました。HTMLメールはこのクライアントのトーン&マナーを踏襲し非常にクールなクリエイティブ展開なのですが、今回は真逆に、かなりベタにコピーを展開し、かつパーソナル感を出しました。 結果非常によいレスポンスを得ることができました。(HTMLメールの通常レスポンスとほぼ同様です。)顧客からのフィードバックもあり、曰く「いつもと違いパーソナルな感じが好感持てる」「書き手の思いが伝わった」などです。これを見てなるほどなとクライントと話をした次第です。すなわち「楽天で売れているところのメールマガジンはいまだにべたべただし、手作り感があふれている」という、そもそもメールというのはパーソナルなメディアなのだなーという再認識です。
このクライアントの場合、非常にクールなブランドなので、ついつい顧客もそれを望んでいるとばかり思っていましたが、クールな顧客もたまには熱い思いも欲しいということでしょうか?
今後クライアントと相談し、HTMLメールをベースにしながらも、販促的なメールに関してはベタなメール展開をしようということになっております。
執行役員 原 裕
テレビCM崩壊
今最も売れてるマーケティング関連本の一つです。 CM崩壊的な話はインターネット出現以来幾多と語られ、また本も出版されているが、ここにきてかなりマジな話になりつつあります。そうは言っても、まだまだ日本ではマスマーケティングが主流であり、これからもそのこと自体は大きく変わらないでしょうが、テレビも巻き込んだニュー・マーケティングを活用できないクライアント、広告代理店、デジタル・マーケターは、間違いなく淘汰されていくことと思います。
この本の第二部で紹介された北米のトップブランド調査(Brancchannel 2004調べ)によると、消費者が選ぶトップブランドは以下のような顔ぶれになってます。
1位 Apple
2位 Google
3位 Target
4位 Starbucks
5位 Pixar
6位 Amazon.com
7位 Donald Trump
8位 Martha Stewart
9位 EBay
10位 Oprah Winfrey
「10年前には存在しなかったようなブランドが地位を占めている。そしてこれらのブランドのどれもが、テレビCMなどしていないのである。広告信仰のコカコーラは、リストにもあがっていない。」
この本の翻訳・監修をされている織田氏はマガジン「Ad Innovator」を発行されており、その中で世界で起こっている新しい広告(マーケティング・コミュニケーション)を取り上げていますが、様々な手法を使い効果をあげている例を提示されています。
Web 2.0 Design Patterns
今年の流行語大賞はこれで決まりでしょうか?頻繁にWeb 2.0 という言葉がにぎわしています。このWeb 2.0 のやっかいなところはあくまでも概念ということです。私自身もクライアントに説明する場合に相手の職種をみて話す内容を変えています。しかし、Tim O'reilly が発表しているWeb 2.0 Design Patterns では、このWeb 2.0 の技術的な考え方を提示しています。
- ロングテール
- データは次のIntel Inside
- ユーザーが付加価値をつけてくれる
- ネットワークを意識したデフォルト構造
- 知的所有権の独り占めは厳禁
- 常にベータ版
- 管理するのではなく共同開発精神
- 様々なデバイス(端末)を意識した開発
これはWeb が広がった時1996年くらいにも概念的にはいわれていたことで、オープンソーステクノロジーでは基本的な概念だと思いますが、ここにきて明確な定義となってきています。弊社のクライアントの一つである国内線ドットコムではいち早くこの点を戦略に取り入れ自社の秀逸な国内線予約エンジンを開業当初から他社に展開しています。
壁紙とRSS
4つの壁紙およびRSSリーダーを搭載しています。
ブランドロイヤルティの高い商材をもつ会社や会社自体にブランド力があるところにはユーザーに対して適宜情報を配信できるので効果的なソリューションだと思われます。消費者にとっては、メールアドレスを入れる必要がないため、敷居が低いというのもあります。
